子どもは環境によって感情や発達がことなります。どんな風に育ってきたかによって将来の職業や人生形成に大きく影響するものです。
ではみなさんは環境というと、どのようなことを思い浮かべますか?
家の近くにある公園のこと、保育園のこと・・・そんなことが一番に頭に浮かぶのではないでしょうか。
でも子どもを取り巻く環境というのはそれだけではありません。
今回は「環境」について、特に幼児まで(4歳頃まで)の年齢にスポットをあて説明します。
環境ひとつで大きく将来が変わってくる、そんなお話です。
保育の世界では「子どもを取り巻く環境」は大きくわけて4つあるといわれています。
まずはそれをおさえていきましょう。
おそらく皆さんが一番に思いついたものでしょう。
これは、場所や玩具などを表します。ですので、公園や家庭、保育園なども含まれます。
どんな空間でどんな玩具があるのかということですね。
どんな環境にも必ず誰かが存在しています。
状況によりお父さん、お母さん、兄弟、先生など様々ですが、その人がどうかかわるかでその後の状態が大きく変化してきます。
天気、季節、花、草など自然のもののことを指します。
事件、ニュースなど社会情勢のことです。
一見子どもとは無関係では?と感じた方もいらっしゃったでしょう。
でも実はこれが子どもに大きく影響しているのです。
そしてこれら1つだけが最高の状態でも、どれかひとつが最低の状態では子どもにいい状態ではないといえます。
たとえるならば、最高の知育玩具を棚に並べていても全く使い方のわからない人がいるだけでは子どもはその知育玩具に何も興味を示しません。
そうなると意味がないですよね。「楽しいそう、してみよう」と感じてもらえるように大人が働きかけなければ、ただの飾りとなってしまいます。
よい環境とはひとつひとつが独立したものではなく、互いにまじわっているということになりますね。
難しく考えすぎると、子どもにどう接していいかわからなくなりそうですが、その心配はいりません。日常の生活を考えてみてください。上記にあるようなことは意外といつもしていることなのです。
ご飯を作る環境があってもご飯を作る人がいなければ食事はできませんよね?
では、子どもにとってより良い環境とはどんなものなのでしょうか。
周りの大人は何ができるのでしょうか
年齢によってもさまざまですが、まずは周りのおとながよい環境になりましょう。
近年、子どもの教育に力をいれる方が増え、家庭でも知育玩具を置いていることがおおいようです。
つまり、知育するうえで最高の「物的環境」があるということですね。
でもそこで終わっていませんか?
玩具はあってもひとりであそぶからとほったらかしにしていませんか?
そのほかはどうでしょう。食事のマナーはできていますか?
「おはよう」「おやすみ」などの挨拶はしっかりできていますか?
「ありがとう」「ごめんなさい」などの気持ちを表現する言葉はどうですか?
家庭の場合は大人(保護者、兄弟)が「人的環境」なのです。
大人が見本をみせることで、子どもの「真似したい」という気持ちを刺激します。
そして楽しんで真似ていくこのことで、子どもはたくさんのことを学んでいくのです。
そのことを頭においてよい見本となれるように関わってみてください。
自然環境については、上記で説明したものです。
こどもはそこから学んでいくものがたくさんあります。
お休みの日には公園などにでかけ観察することをお勧めします。
社会環境については、最近とくにいわれていますね。
TVゲームなどが子どもに及ぼす悪影響というものははかりしれません。
現に3歳までは絶対にTVを見せてはいけないということもいわれています。
脳の発達が未完成な3歳までのこどもにTVをみせるとその電波などが脳を破壊するおそれがあるという研究発表があります。
実際に、研修会などで3歳まではTVを見せずに育てたといわれる方は多く、そのお子さんは有名進学校へ行ったとききます。
極端かもしれませんが、それほどの影響があるということを忘れないでください。
どれかひとつかけていても子どもにとっていいとは言えない環境。
もちろん、気にしなくても子どもは育っていくものですが、できることはしてあげたいですよね。
子どもがスムーズな成長をたどれるように、周りの大人である私たちがよい環境を作ってあげたいものです。