子供の絵本読み聞かせ

子供の絵本読み聞かせ

最近は学校での朝の学活に読書の時間を設ける小学校も多いと思います。
特に低学年(6~8才)には、授業前の心の落ち着きや頭の切り替えに効き目があるようで、授業前の10分~15分の時間に、先生やボランティア(保護者含む)の方が、絵本の読み聞かせを実行している地域もあります。

期間限定で、子供による絵本の読み聞かせ講習を実施した地域では、参加した子供の読書量が増えたそうです。そんな成果が期待できるかもしれない、「子供同士の読書ボランティア」活動についてお伝えしたいと思います。

信頼できる大人から(クラスの担任の先生や国語の先生、またボランティアの方)絵本の読み聞かせを受けて心で感じた事を、繰り返し思い起こし、自分なりに表現し相手に本のメッセージを伝える行動は、かなりの集中力と体力を使いますが、子供たちの自信に繋がる活動として、良いのではないでしょうか。

小学校低学年同士、読み聞かせの試みができる、そんな絵本を2冊ご紹介したいと思います。

言葉遊びが面白い絵本について

物語の主人公と一緒に、思わず節をつけて歌いたくなるようなコミカルな言葉の響きを、読み手と聞き手が一緒に楽しめる絵本、「めっきらもっきら どおん どん」(長谷川摂子・作/ふりやなな・絵/福音館書店・出版社)は、摩訶不思議な世界に迷い込んだ主人公が出会う、面妖な登場人物たちに、昭和世代の大人も子供の頃を偲べるファンタジーなキャラクターが魅力的で、子供が言葉に興味を覚えることが出来る、教材の一つなるのではないでしょうか。

リボンの仕掛け絵本について

「にじを つくったの だあれ?」(ベティ・アン・シュワルツ作/ドナ・ターナー絵/鈴木ユリイカ・文/世界文化社・出版社)
は、主人公のうさぎが、雨上がりの中を、それぞれに虹の色を持つ生き物達に出会い、最後に虹が生まれる理由を知るという、頁毎にきれいなリボンの装飾のある素敵な絵本です。本の体裁も丈夫で、子供同士の読み聞かせに厭きのこない、また触れて遊べるトリック教材だと思います。

まとめ

「子供同士の読書ボランティア」は、子供の記憶力を高める方法として、効果があるかもしれません。特例ではありませんが、保護者が毎日、2~3才の幼児に世界名作アニメシリーズ「ゆきばらとべにばら」(グリム・作者/神戸ひかり・絵/永岡書店・出版社」の絵本を読み聞かせたところ、保護者である読み手の呼吸まで覚えて、文字をながめながら、最後まで頁をめくり物語を読みこなした実例もあるそうです。

幼児の持つ暗記力の高さを学力向上へ繋げていけるように、何度も聞いた良いお話しやそこから独自のストーリー展開ができる、小学校低学年の子供たちの才能を「子供同士の読書ボランティア」活動を通して伸ばしてゆければ、高い国語力がつくと思います。

情操教育に慣れ親しみ、学校生活を楽しむことにも繋がるのではないでしょうか。

毎年、学校が薦める推薦図書の読書感想文などの宿題絡みでは、文章を書く事の苦手な子供たちも、読書自体を敬遠する事はありません。絵本の読み聞かせ活動をすることは、文章を声に出す良い経験になると思いますし、思った事を書く、感想文を書くことにつながる可能性もあります。

創造の翼を広げる柔軟さは、幼い子供ほど奥深く秘めている、それを引き出す文化的な活動として、「子供同士の読書ボランティア」をオススメしたいと思います。